今日の男治郎はイキっている。
朝降りて来た時に、えらいゴンゴンとぶつかり稽古をカマすので「今日はイキるなあ男治郎」などと、思っていたら奥さんから
「今日の男治郎はオシッコもウンコもケージでしないで、リビングの床でしていた。それに騒ぐし暴れる」
と、ご報告があった。
生後7ヶ月前後から反抗期が始まるらしい。
中1の次女で反抗期はお腹いっぱいなのに、男治郎まで反抗期だなんて非常にめんどくさい。
トゲトゲの首輪でも買ってやれば良いのだろうか?
かなりイキっていてオモチャを振り回し、少し悪めの顔をしている。
レクサスとかいう車に付いている、ロッテリアのマークをおデコに書いてあげたいくらいだ。
それくらいイキっている。
奥さんが
「これくらいからマーキングも始まるし、サカリもついてくるから、早目に睾丸を取って去勢した方がいいね」
と、お前に言っていた。
歯ミガキ用のカミカミを噛みタバコみたいに悪そうに食べているが、何も分かっていないみたいだな男治郎。
あれはお前の話だぞ?
僕のタマの話じゃないぞ?
お前の小さな睾丸が無くなるんだぞ、男治郎?
イキるのはヤメて、いつものようにダルダルな自分に戻るんだ。
あと、座った時にあの男性器をベローンと出すのも、やはり女性陣からは不評だ。
刀はここぞという時に鞘から出すものだ。
常に刀を抜いているなんてヤバいだろ?
ウチの中でさえ変質者って言われてるよ、男治郎。
いや、マジで僕以外はタマが付いてないから「取ったらいいんじゃない?」という世論調査結果が出ている。
僕は反対するけど3対1という過半数には勝ち目がない。
だから、イキるのはヤメて
「睾丸があっても全然大丈夫です。とっても紳士な僕です」
というアピールをするんだ。
「タマを"取る"って言ってるのに、"とっても"紳士なんてね」
って、ジョークを飛ばしても良い。
イキるよりはよっぽど良い。
僕が言うと蔑んだ目で見られるけど、男治郎なら受け入られるし、何なら笑ってくれるかもしれない。
そんな悪ぶっている男治郎は夜8時には眠くなり、その後は朝6時まで眠り続ける、幼稚園児みたいな生活を送っている。